東京寄席
「よせ」と言われたところでやめない演芸噺

第10回
東京寄席正月第参回興行
「正月壱の席−新春顔見世興行」(3)

いらっしゃいませ、こんばんは。
席亭の横山です。
短めのネタをお送りする正月興行も
最後の出し物でございます。

出し物その参―「生で落語を聞こう。」
もうだいぶ前になった気もしてしまいますが、
皆さんはお正月をどうすごされましたか?
私は年末から正月にかけて結構寄席通いをしてしまいました。
でも、それはそれで楽しいもんなんですけど・・・。

正月はどの寄席も顔見世興行ですから、
いつもより余計に落語家さん、
そして落語そのものに触れられるんです。
こういう時に、特に
「おっ、こいつ結構面白れぇじゃねぇか」
なんていう新たな発見があったりするんですよ。
何事においても新たな発見というのは楽しいですよね。

落語は伝統芸能ゆえの古臭さや
堅苦しさ(ひょっとしたら暗さ)みたいなものがあって、
敬遠されがちなようですが
(まぁ、それも風情っちゃぁ風情なんでしょうが)、
そんなことはなくて、
実際、寄席に行って落語を聞くと結構面白いんですよ。
これが。
漫才やコントとかと同じで
テレビやラジオではかけられないネタもあるし、
時流に沿った新作落語もあります。
もちろん古典落語だって聞けば、落語を敬遠していたことが
食わず嫌いだったんだと思われるはずです(たぶん)。

日頃、皆さんが落語家さんの落語家さんたる部分に
触れる機会といえば、せいぜい「笑点」の大喜利ぐらいですよね。
表現に制限の多いテレビで、時間も限られており、
しかも噺をするわけでもないので、
本当のところはその落語家さんや落語の面白さまでは、
なかなか伝わらないもんです。
興味ありませんか、
歌丸さんや(あの)木久蔵さんがどんな噺をするのかって。
ねっ、だから一度騙されたと思って
見に行ってみてはいかがでしょうか。
ちゃんといい落語やってますから、当たり前ですが。

なんかまだ信用できないなと思われる方に、
具体的に私がお勧めする落語家さんの名前を挙げます。
東京なら立川志の輔さん、春風亭昇太さん
林家たい平さん、立川志らくさんなんてどうでしょうか?
えっ、誰も笑点に出てないじゃないかって?
確かにそうですが、これにはちゃんと訳があります。
この四人さんは語り口、キャラクターそしてネタが
誰にでも受け入れやすい芸風をお持ちなので、
落語好きの間からは、落語への入門編にはいいんじゃないか
という話をよく聞くのです。
私もそのとおりと思って、皆さんにお勧めするのです。
もしも、これらお三方の落語を聞いても面白くない
と思われるのであるならば、
それ以上無理には、落語をお勧めはしません。
もしそうであっても、
本当は寄席で面白い落語家さんを見つけて欲しいのですが・・・。
(注:立川流の落語家さんは落語界の事情により、
出演できる演芸場がかなり限られており、
生で聞くとなると勉強会、独演会や
イベントが中心になるでしょう。)

もうひとつ、これは先日、
サッカーおじさん(実は落語ファン←驚きました)と
お話しさせていただいたときに、
現代社会に生きる人は落語界という伝統的な社会を見習うべきだ、
という話が出たのです。
好きなことをやってメシを食っていくことの
ありがたさを認識している点、
きちんとした礼儀作法、豊富な知識、常に謙虚に勉強する姿勢、
徹底したタテ社会(目上の人を敬う精神ってことです)、
そしてお客様からお金を頂戴しているんだいうことを
常に意識したプロフェッショナリズム・・・。
自分自身も見習わないといけないのですが、
今の(若い)サッカー選手に特に見習わせたいですね。
こんなことを意識している選手って、一体何人いるんだか。
(本当はもっと凄い話も出たのですが、
あえてここではそこまで言いません。)

そんなことを考えると、落語ってますます興味深くなるんですよ。

というわけで、サッカーがオフシーズンの間に、
ぜひ一度、生の落語を聞いてみてください(こじつけ?)。
実は近いうちに、
落語鑑賞会みたいなことが出来ればとも思っております。

落語に興味を持たれた方、是非このサイトを見てください。
きっと落語の世界が広がるはずです。

次回から通常どおりの興行に戻ります。
ではでは〜

2002年1月好日
東京寄席席亭 横山 講志

※ 東京寄席は今、落語を応援しています。

(第11回につづく)

01/31/02 UPDATE

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