東京寄席
「よせ」と言われたところでやめない演芸噺

第7回
東京寄席12月第2回興行 「年末特別興行」
緊急寄稿―「浪花座閉鎖に想う」

いらっしゃいませ、こんばんは。
席亭の横山です。

本当は年末の演芸場出没予定でも書こうと思っていたのですが、
このコラムでも触れてきた「松竹芸能」の直営演芸場である
「浪花座」が広島の不動産業者に売却、
来年1月で閉鎖という話を聞いた以上、
そのことに触れなきゃいけないと思い、
急遽ネタを変えることにしました。

感想は一言。
「ショック!」(関根勤さん風)。
今、お膝元を閉鎖することは
「吉本興業」に対する完全敗北宣言のようなものですからねぇ。

今週の週刊実話には、興味深いことが書いてあったんですが
確かに吉本の芸人さんは面白い(かもしれない)。
でも、よく考えてみると大阪発のタレントさんや芸人さんで
本当に面白いのは吉本以外のタレントさんだったりもするんです。
ところが、今や吉本は実質テレビ局ですから、
番組製作にあたり著名なタレントさんでも、
吉本にブッキングを拒否されてしまうことが結構多いようです。
今後、吉本以外は大阪発のタレントにあらず
という風潮にますます拍車がかかりそうでいやですねぇ。

以前、このコラムでも似たようなことを書いたんですが、
吉本とそれ以外のプロダクションに所属する芸人さんに
レベル差があるとは思えないんです。
てことは、吉本の影響力が増大することが
吉本興業という一企業にとっては良い事かもしれないですが、
お笑いファンからすれば、
お笑いに対する選択肢が狭まっていくだけではないか?
アクの強い上方芸人が
どんどんスポイルされていくだけではないか?
よく見ると、ただ関西弁を話すだけのお笑いタレント風ばかりが
伸していくのではないか?
なんだかネガティブな疑問だけが残ります。

確かにNGKに比べれば、浪花座は客の入りはいつも良くない。
そのせいからか出てくる芸人さんの多くは、その芸がすさみがち。
結果、そんな芸を見せられた客は足を運ばない。
この悪循環の結末としては、
ある程度予想というか覚悟はしてたんですけど、
こうも唐突に決まってしまうと、ショックは大きいですね。

今後も松竹は道頓堀で
何らかの形で演芸の興行を続けていくそうですが、
もうだめでしょう。
過去にも、松竹は
会社の事情で演芸場を閉鎖したことがあるんです。
それがきっかけで松竹を離れていった芸人さんは多く、
ここで吉本と一気に差がついたわけだし。
定打ちの小屋が無くなれば、
また芸人さんの多くは活動の場を求めて
松竹を離れていくのは必至。
浪花座閉鎖にあまり影響を受けない若手芸人さんまで、
松竹を離れて吉本の軍門に下ることないことを祈るばかりです。

浪花座よりもっともっと、その経営状況がやばい
名古屋の大須演芸場だってなんとか頑張っているんだし、
松竹にももうひとふんばりしてほしかった。
でも、大きな企業の系列だけにこれも時代の流れなのかなぁ・・・。
社員のリストラも含め、
演芸ということ(ビジネス、文化)への関心が
うすれているんでしょうね。
松竹新喜劇も明らかにその活力が落ちているし。
寂しい限りです。

なんだか、今のアメプロと一緒の構図だ。
未来は暗いですよ、うーん・・・。

浪花座に残された時間はあとわずか。
そう、天皇杯準決勝は神戸ウィングスタジアムに行って、
そのついでに浪花座にも行ってみてください。
吉本以外でも面白い芸人さんがいることがわかります。
絶対。
とりあえず私は、
今月の28日に「朝まで生チクる!」を見に行くつもりです。
来月も、正月特別興行の後の20日間は
「さよなら興行」になるようなので、
さらにもう一回行ってみようかなと。

あーあ。


2001年12月好日
東京寄席席亭 横山 講志


※ とはいえ、東京寄席は松竹芸能を陰ながら応援していきます。
  でも、吉本も好きなんですからね、一応。

追記
12月30日、東京漫才の一大イベント
「年忘れ漫才大行進」が浅草演芸ホールで12時から行われます。
約8時間にわたる、東京漫才づくし。
これを見ずに年は越せません(オーバー)。
昨年あたりから、
のいる・こいる師匠目当ての若い女性客も増えてきており、
結構盛況なんです。
3000円の入場料は安いと思いますよ。
残念なのは、どうやら「マッピー」が出ないらしい・・・。

追記2
若手女性曲芸師「三増れ紋」さんを今回はお勧めします。
若い女性らしい明るい芸風がなかなか良いですよ。
曲芸(コマ廻し)という芸だけに
テレビで見る機会があまりなさそうなんで、ぜひ演芸場で。

(第8回につづく)

12/27/01 UPDATE

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