東京寄席
「よせ」と言われたところでやめない演芸噺

第2回
10月上席 衣替えリフレッシュ興行
「松竹と吉本はそれほど違うのか?
―若手芸人考―(その1)」

いらっしゃいませ、こんばんは。
席亭の横山です。
当寄席に思った以上の皆様方の反響に驚いているの同時に、
お笑いが好きな方(お仲間)が沢山いらっしゃることに
ほっとしております。 改めまして今後ともよろしくお付き合いのほど、
お願い申し上げます。

さてさて、今席が東京寄席の柿落としとなるわけですが、
寄席の番組進行ではトップに必ずと言っていいほど
「若手」が登場しますよね。
というわけで、今回は若手芸人さんのことを
少々ひねくれた角度からふれてみます。

とはいうものの、私はオールドスクールなお笑いファンゆえに、
新宿のルミネザよしもとには行ったことがありませんし、
ましてやライブなんて・・・あまり行ったためしがありません。
しかもオンバトもそれほど見ているわけではないので
(あまりあの番組が好きじゃないもんで)、
このテーマを語る資格がないかもしれませんが、
そういう人間の一感想だと思ってご勘弁ください。

さてさて、お笑いファンであり、FC東京のファンでもある私には
関西地区でのFC東京のアウェイゲームほど
楽しみなものはありません。
そりゃなんてったって、大阪に行けばあの吉本興業が誇る
笑いの殿堂NGKこと「なんばグランド花月」がありますからね。
東京の試合によしもとまで見られるチャンスなんて、
そうあるもんじゃないです。
と、最初は思ってました。
しかし、もう一つのお笑いの現実が
NGKから歩いて10分ぐらいのところにあるのです。

その名は「演芸の浪花座」。
上方演芸もう一つの雄、松竹芸能直営館。

NGKはそりゃ客層も幅広いし、
何より有名な芸人さんが多数出演していることもあって、
大概満員で活気に満ち溢れています。
で、浪花座はというと、客層は明らかにお年を召された方が中心、
客席が満員になることはそうなく、笑いに来たというよりは
時間潰しに来たという感じが漂っています。
ましてや、有名な芸人さんよりは
見たことも聞いたことのない芸人さんのほうが
多く出演しているわけですから、
活気もあまり感じられないんです。
まぁ、そういう意味では
中に入るには少し勇気がいるかもしれません
(松竹芸能の方、ごめんなさい、
でも私は大好きですよ)。

どうです?お笑いマニアの方にはにはたまらないでしょう?
まぁ、もっとすごい演芸場もあるのですが、
それはまたいつか書くことにします。

閑話休題、そのプログラムを冷静に比較すると、
どちらもあまりやっていることに違いはありません。
もっとも吉本新喜劇のように、
松竹新喜劇が浪花座に出演することはないですが・・・。
どちらにしろ最初に出てくるは若手の芸人さんです。

若手の芸人さんはネタの冒頭に必ずといっていいほど、
お客さんに向かって
「僕らのこと知っている人は拍手してください。」
とフリ、まばらな拍手の起こる客席に向かって
「おまえらなんか見たことない、知らん。
はよ帰れと思っている方、拍手。」
ともう一度フリ、
万雷の拍手を浴び笑いをとろうとするくだりが登場します。
ここから先のリアクションがNGKと浪花座と違うところで、
よしもとの若手はここで殆ど笑いをとるのですが、
松竹の若手はこれを浪花座でやってもまずウケません。
というか、お客さんはネタ自体聞いてもいないかも(苦笑)。
下手すれば、その後も全く反応無しで
舞台を降りても拍手さえ起きない芸人さんもいます。
これは見ててもつらいですよ。

浪花座でこれを初めて見たとき、
見たこともないつまんなそうな若手漫才コンビだから
しょうがねぇかなぁ、率直にそう思ったのです。
そして、やっぱり松竹よりよしもとの方が面白いな
という印象だけが強く残りましたね。

しかししかし、最近私のお気に入り、
ますだおかだ、アメリカザリガニを見に、
8月に東京で行われた松竹芸能の若手
(ますだおかだも「若手」なんだろうか?)
のライブに足を運んだときです。
浪花座でおじいちゃん、おばあちゃん相手に
苦戦していた芸人さんたちを改めて見てみると、
すごい面白いんですよ。これが。

松竹の若手が吉本より劣っているなんてことはなかったんです。
では、松竹と吉本の違いはどこにあるのか?
劇場の違いか?
小屋の立地条件だけなら、浪花座の方が上だろうし・・・。

えーと、ちょっとしゃべりすぎましたかね。
この辺で今回はお開きと致しましょう。
続きは次回へと続きます。

えっ?何で東京寄席なのに初っ端が上方演芸かって?
まぁまぁそうおっしゃらずに。
テーマや節操がなく、
好き勝手なプログラムが当寄席の売りなもんで。

では、せめてものお詫びに
東京ボーイズ風になぞかけ問答をひとつ。
♪FC東京というチームをなぞかけ問答でとくならば〜
♪修道院とときまする〜
♪どちらも「アマ」に救われる〜

お詫びになっていないって?
しっつれいいたしました。

追記
昭和のいる・こいる師匠、私も大好きです。
いずれお二人の魅力については書くつもりです。
多分年末をめどに、その理由は・・・。

古今亭志ん朝師匠の訃報に心から哀悼の意を表します。

※ 東京寄席は演芸全般を一方的に応援します。

2001年10月好日
東京寄席席亭 横山 講志

次回は10月中席、晩秋お楽しみ興行となります。

(第3回につづく)

10/07/01 UPDATE

戻る