二股!
荒川裕治によるフットボールコラム

“無駄走り”から連動性は生まれる
9/19 J1セカンドステージ・柏−東京

しばらく間が空いてしまいました。
この数ヶ月、ずっと走り続けてきたような感じがします。
ただ、埼玉関係のことでバタバタと動いていただけで、
ちょっと視野が狭くなっているような気がします。
インターハイ、天皇杯予選、国体と続きましたからね。
しかし、そんな狭くなった視野を持って、
今回の柏戦を楽しみにしていたのですが、なんというか、
国体の試合を見ていたほうが面白いと感じてしまいました。
(編者注:荒川さんは埼玉県サッカー協会の役員を務めています

そう、今年の国体は埼玉が開催県なんです。
今月の10日から14日まで夏季国体があったんです
(埼玉は成年女子が初優勝、
少年男子も3位とまずまずの成績でした)。
勝てば勝つだけ連戦となるこの大会、
準決勝あたりから個々の選手は満身創痍なわけですが、
全力で立ち向かうんですよ。もちろん最後まで。
アマチュアだからこそ、
そんなひたむきなプレーが魅力なんです。
身近なものを挙げれば、女子サッカー、
なでしこジャパンが盛り上がったのは、
この数年でのレベルアップもさることながら、
驕らないその一生懸命さが共感できたからだと認識しています。

で、東京に話を戻しましょう。

この柏戦とナビスコのガンバ戦を入れて、3勝1分2敗。
「普通」の成績と言っていいでしょう。
開幕2連敗したときにはどうなるかと思いましたが、
その後は“スーパーサブ”となった阿部の投入がパターン化し、
負けなしで来ています。
だから「柏に引き分けたからといって、クドクド言っても……」
と考えないでもないのです。
でも、思うのです。
「面白くない」と。

阿部の投入がチームを勢いづかせるというのはわかるのですが
(しかし柏戦、いったい何分ボールに触れなかったことか)、
いつから「後半勝負」などという、
90分を計算するようになったのでしょうか。
もちろん、ケガ人が多く、
なかなかイメージ通りに選手が揃わない実情もあります。
終盤に追いつかれるという悪癖を考慮したものだとも言えます。
でも、「それにしても」と、もどかしさを募らせてしまうのです。

では、そのもどかしさの根本はどこにあるのかと考えてみました。
答えとしては、感覚的なもので申し訳ないのですが、
「気持ち」だと思うのです。
一生懸命さやひたむきさを感じられないからだと思うのです。
心意気とでもいうか、
タッチラインを切るかどうかというボールを果敢に取りに行く、
そんなプレーが見たいのです。
いや、もちろん選手たちは一生懸命やっていると思います。
もしかしたら、
今までこのチームでサッカーをやっていた選手たちが
頑張りすぎていたのかもしれません。
しかし、プレー一つ一つを見ると
「きれいにやろう」「かっこよくやろう」……
そんな意識を感じるのです。
個人的に“無駄走り”がないチームに魅力を感じないのです。
その“無駄走り”から連動性は生まれると思っています。
振り返れば、“無駄走り”の魅力を教えてくれたのは、
「東京ガスサッカークラブ」でした。
うーん、相変わらず古い話を持ちだして申し訳ないのですが。

柏戦、最後に追いつかれたことを責めるつもりはありません。
問題は、
あの時間帯にどうしてまだ柏が元気だったのか、
ということ。
次の浦和戦、非常に心配です。

(つづく)

09/22/04 UPDATE

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